北欧神話と説話の種類
『カムイユーカラ』はカムイが一人称で語る形式をとっており、サケヘと呼ばれる繰り返し語が特徴で、アイヌの世界観を反映した、神々の世界の物語である。中には、神・自然と人間の関係についての教えが含まれている。散文の物語はアイヌ語ではウエペケレという。アイヌの人々が、文字を持たないアイヌ語によって、自然の神々の神話や英雄の伝説を、口伝えの言葉による豊かな表現で、語り伝えてきた。しかし、アイヌ語・アイヌ文化の衰退とともに、『ユーカラ』をはじめとする口承文学の語り手も次第に少なくなっていった。しかし、アイヌ語・アイヌ文化の復興運動の中で、ユーカラをはじめとする口承文芸を練習・習得した、新しい語り手も育ってきている。
"アルスター伝説から3世紀ほど後のもので、フィン・マックール(Fin mac cumhail)から三代続く、フィアナ騎士団の物語群である。フィン・マックールとは、クールの息子フィンという意味で、フィンには美しい、の意がある[3]。""フィン・マックールはヌァザの孫娘ムィルナとフィアナ騎士団の団長クール(Cumhail)との間に生まれ、ディムナと名付けられるが、父は彼の生まれる前にライバルのゴール・マック・モーン(Goll mac Morn)に殺される。ムィルナはフィン・マックールを信頼できる二人の女性に預け、フィン・マックールは森の中で英才教育を受けて育つ。"フィン・マックールはボイン川近くで出会ったフィネガスの弟子となる。7年経ち、もうすぐ成人しようというとき、フィネガスに命じられ、食べたものにあらゆる知識を与えるという知恵の鮭・フィンタンの調理を行う。鮭を調理してもってきたフィンをみたフィネガスは、彼の顔つきが変わったのを見咎めて、鮭を食べたのかと質問すると、フィンは食べてはいないが調理中に鮭の脂が跳ねて親指を火傷したので口に含んだと答える。その後、彼は困ったときに親指を口に含むとたちまち名案が浮かぶようになった。彼は後にゴールへ復讐を果たした、また一説によればゴールを許し、配下に迎えたという。
北欧神話の中にはスカンディナヴィアの伝承の一部となったものもあり、現在まで残存してきた。その他は近年、ゲルマン・ネオペイガニズムとして再考案・構築されている。ステージでの上演劇や映画に同じく、神話は現在も様々な文学での着想として残されている。北欧神話について現存する記録の大多数は13世紀にまで遡ることができ、少なくとも正式にキリスト教社会となった世界に、2世紀以上も口承の形で保存されていた。13世紀に学者達はこの口伝えに残る神話の記録を始め、特にキリスト教以前の神々が実際の歴史上の人物にまで辿ることができると信じていた学者、スノッリ・ストゥルルソンにより、『エッダ(散文のエッダ、新エッダ)』や『ヘイムスクリングラ』が書き起こされた。このほかには、北欧の神々がより強くエウヘメリズム化(神々は人間が神格化されたものであるという解釈)された、サクソ・グラマティクスの『デンマーク人の事績』がある。『エッダ』を13世紀初期に書いたこのスノッリ・ストゥルルソンという人物は、卓越した詩人・指導者で、アイスランドの外交官でもあった。この『エッダ』は本来、その技法の学習を熱望する詩人へ向け、入門書として作られたとされる。この作品には伝統的なケニング(婉曲表現技法)や、詩に詰め込まれた暗喩表現を散文体で解説した内容が含まれている。こうした散文体での語りが、北欧の神々についての様々な物語を体系的かつ首尾一貫したものにしたのである。
"約3600年の公転周期で太陽を周回しているとされる惑星二ビル(惑星X)が地球に接近する度に地球に大災害をもたらしたとする説。 紀元前1500年前後を機に時を同じくして4大文明が衰退している点(洪水襲来が原因と推測される地域もある)、その4000年ほど過去の紀元前5600年ごろに発生したとされる黒海洪水説も、どちらも惑星ニビルの接近が原因であるとする。 ただ、惑星そのものが発見されていない状態で、神話の域を脱していない。"神話は主にキリスト教化以前に存在した現地の宗教、そして北欧神話の文書としての典拠が大多数集められていた地、アイスランドに定住していた人々を含む、スカンディナヴィア人の伝説と信仰で構成されている。北欧以外のゲルマン人は、早くからキリスト教化されたため、民族独自の神話や思想を示す書物がほとんど残っていない。そのため北欧神話は、年代の古い一般的なゲルマン・ペイガニズムが最良に保存された訳書であり、ゲルマン人の古来の習俗や精神を理解する上で貴重な資料となっている。このゲルマン・ペイガニズムは、アングロ・サクソン神話と極めて密接に関連した内容を含んでいる。ゲルマン神話は、初期のインド・ヨーロッパ神話から発展したものである。北欧神話は北ゲルマン民族によって共有されていた信仰や物語の集約である。神話は詩の形で口承により伝えられ、現在人々が持つ神話についての知識は主にスノッリ・ストゥルルソンにより書かれた『エッダ』や、キリスト教化中またはその後に書き下ろされた、中世における他の版本に基づいている。北欧神話は基本的に古ノルド語で著わされているが、『デンマーク人の事績』などラテン語で書かれたものもある。