ハワイと起源をめぐる説
ウパニシャッド(奥義書)も広義のヴェーダ文献の1つで、ヴェーダ文献の最後に成立した事からヴェーダーンタ(ヴェーダの末尾)ともいう。神秘的哲学を説くもので、特にアートマンとブラフマンの本質的同一性(梵我一如)を説く部分は、後のインド神話の世界観に大きな影響を与えた。ヒンドゥー教の神話のうち代表的な文献は、二大叙事詩『マハーバーラタ』と『ラーマーヤナ』である。『マハーバーラタ』は、18編約10万詩節よりなる大作である。バラタ族の内紛・大戦争を主筋とし、その間におびただしい神話・伝説が挿話として説かれている。一方『ラーマーヤナ』は7編2万4000詩節よりなり、ラーマ王子の冒険を主筋とする。『マハーバーラタ』よりは一貫した文学作品ではあるが、やはり主筋の間に多くの重要な神話・伝説を含んでいる。この二大叙事詩は、いずれも400年頃に現在の形にまとめられたと推定されているが、その原形が成立したのはそれよりもはるか以前にさかのぼることは確実である。さらに後代になると、幾多のプラーナ(古伝)文献が作られた。これは百科全書的な文献であり、そのなかに多数の神話・伝説を含んでいる。二大叙事詩とプラーナ聖典の神話は今日に至るまで広く民衆に愛され、文学・芸術作品の題材とされてきた。
初めは翻訳作品だけだったが、1980年代には日本の小説家によるクトゥルフ神話作品が書かれるようになる。紹介された時期がアメリカで作品の書かれた頃よりずっと後だったせいか、ダーレスによるクトゥルフ神話よりはラヴクラフト作品に近づける傾向が強い。中には、栗本薫の『魔界水滸伝』のようにラヴクラフトからも離れた独自解釈を行った作品も見られる。"ラヴクラフト自身は旧支配者の名をまったく挙げていない。したがってラヴクラフトの作品のみに準拠する限り、ヨグ=ソトースやハスターやナイアーラトテップが旧支配者であるという証拠は存在しない。これらの神性をまとめて旧支配者と呼んだのはダーレスである(アザトース、ヨグ=ソトース、シュブ・ニグラス、アブホース、ナイアラートテップなどは「外なる神」として旧支配者より別格で上位に位置する存在という扱いをされることも多い)。そもそも、英語でのGreat Old Onesを旧支配者と訳したのは、ダーレスの設定(これらの神性が、かつて宇宙を支配していたが失権した)を踏まえたものであり、名訳ではあるが、正確な訳とは言いにくい。"カタカナ表記の統一されていないものが多い。括弧内は主な表記。
"似た言葉に、「伝説」という言葉がある。 神話は物事の起源、伝説は固有名詞を伴った土地のいわれなどを説明するといったニュアンスの違いはあるものの、例えば建国神話に実在の可能性がある人物が登場し、地名の由来にもなったりするなど、両者の境界は明確ではない。"また近代に入り科学的理性が宗教・神話的なものの信頼を揺るがすようになると、そこから転じて「絶対的だと前まで考えられていたが、根拠の揺らいできたもの」といった用法が生じた。例:「日本の『安全神話』が崩れつつある」など。神話(伝説)であって真実ではないとされていたものの遺跡が発掘されることがある。
クトゥルフ神話は多数かつ多様な作品によって構成されており、その源泉を単純に述べることは困難だが、創始者とされるラヴクラフトのホラー小説においては宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)という概念がテーマとして挙げられる。これは無機質で広漠な宇宙においては人類の価値観や希望などは何の価値もなく、人はただ盲目的な運命に翻弄されるのみであるという不安と恐怖をホラー小説の形式で描いたものであり、理性を超えた狂気と混沌、吸血鬼や幽霊など伝統や文化にもとづいた恐怖を排除する傾向、宇宙空間や他次元などの現代的な外世界を取り上げるなどの要素がある。しかし、ヒロイック・ファンタジーの文脈を取り入れたロバート・E・ハワード、善悪二元論的な作品を描いたオーガスト・ダーレスやブライアン・ラムレイを始めとしてコズミック・ホラー以外のテーマを持つ作品も多く存在する。ラヴクラフトがクトゥルフ神話に描いた恐怖は、彼自身の恐怖感に由来していると考えられている。彼の作品には、自身の家系から来る遺伝的な狂気への恐怖、退行、悪夢などいくつかの共通したモチーフが見られる[2]。また、ラヴクラフトは海産物に対して病的な恐怖を抱いており[3]、蛸や魚類をモチーフとした怪物が登場する。[要出典]さらに、ラヴクラフトが東洋人・ポーランド人・黒人などのマイノリティに対して恐怖感と嫌悪感を持っていたことも知られている[4]。多くの人種の平等を唱えながらネグロイドとオーストラロイドだけは生物学的に劣っているとして、この二者に対して明確な線引きが必要だと主張した[5]。当時としては問題にはならないが、現代であれば人種差別主義と言えるほどの偏見であり、これはそのまま『クトゥルフの呼び声』や『ダンウィッチの怪』での人間と人ならざるものとの混血といったモチーフに結びついている[6]。