童話とメルヘンとアイルランド

しかし、このように由来不明な多数の名前と人物の羅列があるので、歴史時代のギリシアにおける多少とも名前のある家柄の市民は、自分は神話に記載されている誰それの子孫であると主張できたとも言える。ウェルギリウスの『アイネーイス』が、ローマ人の先祖をトロイエー戦争にまで遡らせているのは明らかに神話的系譜の捏造であるが、これもまた、広義にはギリシア神話だとも言える(正確には、ギリシア神話に接続させ、分岐させた「ローマ神話」である)。ウェルギリウスは、ギリシア人自身が、古代より行って来たことを、紀元前1世紀後半に、ラテン語で行ったのである。古代ギリシア人は世界の始まりについて、他の民族と同様、それは原初の時代より存在したものであるとの素朴な思考を持っていた。しかし、ゼウスを主神とするコスモス(秩序宇宙)の観念が成立するにつれ、おのずと哲学的な構想を持つ世界の始原神話が語られるようになった。それらは代表的に四種類のものが知られる(ただし、2と3は、同じ起源を持つことが想定される)。神々の系譜や人間の起源などを系統的な神話に纏めあげたヘーシオドスは、その『神統記』において二つの主要な起源説を伝えている。

神々の王クロノスはしかし、母ガイアと父ウーラノスから呪いの予言を受ける。クロノス自身も、やがて王権をその息子に簒奪されるだろうというもので、クロノスはこれを懼れて、レアーとのあいだに生まれてくる子供をすべて飲み込む。レアーはこれに怒り、末子ゼウスを身籠もったとき、密かにゼウスを出産し、石を襁褓にくるんでこれをクロノスに渡した[38]。ゼウスが成年に達すると、彼は父親クロノスに叛旗を翻し、まずクロノスに薬を飲ませ、彼が飲み込んでいたゼウスの姉や兄たちを吐き出させた。クロノスは、ヘスティアー、デーメーテール、ヘーラーの三女神、そして次にプルートーン(ハーデース)とポセイドーン、そしてゼウスの身代わりの石を飲み込んでいたので、順序を逆にしてこれらの石と神々を吐き出した。ゼウスたち兄弟姉妹は力を合わせてクロノスとその兄弟姉妹たち、すなわちティーターンの一族と戦争を行った。これをティーターノマキアー(ティーターンの戦争)と呼ぶ。彼らはティーターネスに勝利し、ティーターン族をタルタロスに幽閉し、百腕巨人(ヘカトンケイレス)を番人とした。こうして勝利したゼウスたちは互いに籤を引き、その結果、ゼウスは天空を、ポセイドーンは海洋を、ハーデースは冥府をその支配領域として得た[39]。

"伝説は、同じ昔の話であっても、一定の土地の地名や年代など、その所在や時代背景が的確に示され、登場人物も歴史上の有名な人物やその土地の何と言う人物など、好んで詳細に示そうとし、定義において昔話との大きな相違点とされる。 これらの事から、伝説には伝記風の態度と要素があるが、昔話はフィクション(創作)として語られている。しかし一部の土地では「炭焼き長者」や「子育て幽霊」などといった昔話が伝説化し、定着している例も挙げられる。"世間話は体験談や実話として語られる民話である。"昔話、伝説、世間話の違いを表にすると以下のとおりとなる。 [要出典]"

アステカ人たちはそこに大きな人工の島を造り、テノチティトラン(Tenochtitlan)という都市を築いた(そこは今日のメキシコシティーの中央部にあたる)。この伝説は、現在のメキシコの国旗やメキシコの国章に描かれている。伝説によれば、テスココ湖に到着したアステカ人たちは他の人々、特に古代トルテカ族から文明を学ぶことを決めた。アステカ人にとって、トルテカ族は全ての文明の発信者であり、「Toltecayotl」という単語は「文明」と同義であった。

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