類型論と説話の種類
多くの創世神話は、広い範囲で同じテーマを持っていることが多い。一般的なモチーフとしては以下のようなものがある。日本神話においても、始原の神々とともに天地の創生が語られており、イザナギとイザナミという二柱の兄妹神が結婚し、主な島々や神々たちを生みもうけたという。イスラム教では、すべてのものはアッラーフ(アラビア語で「神」、イスラム教では神は唯一で絶対である。)によって創造されたとされる。クルアーンには、アッラーフが創造主であることを示す記述がいくつもある。
陸地のニュンペーとしては次のようなものがある。1)メリアデス(単数:メリアース)はもっとも古くからいるニュンペーで、ウーラノスの子孫ともされる。トネリコの樹の精霊である。2)オレイアデス(単数:オレイアース)は山のニュンペーである。3)アルセイデス(単数:アルセイス)は森や林のニュンペーである。4)ドリュアデス(単数:ドリュアース)は樹木に宿るニュンペーである。5)ナパイアイ(単数:ナパイアー)は山間の谷間に住むニュンペーである。6)ナーイアデス(単数:ナーイアス)は淡水の泉や河のニュンペーである。これらのニュンペーは陸地に住処を持つ者たちである。一方、海洋には、オーケアノスの娘たちや、ネーレウスの娘たちが多数おり、彼女らは美しい娘で、ときに、ニュンペーではなく女神に近い存在であることがある。海洋のニュンペーはむしろ女神に近い。1)オーケアニデス(単数:オーケアニス)は、オーケアノスがその姉妹テーテュースのあいだにもうけた娘たちで、3000人、つまり無数にいるとされる。この二柱の神からはまた、すべての河川の神が息子として生まれており、河川の神とオーケアニスたちは姉弟・兄妹の関係にあることになる。冥府の河であるステュクスや、ケイローンの母となったピリュラー、アトラース、プロメーテウス兄弟の母であるクリュメネーなどが知られる。2)ネーレーイデス(単数:ネーレーイス)は、ネーレウスとオーケアノスの娘ドーリスのあいだの娘で、50人いるとも、100人いるともされる。アンピトリーテー、テティス、ガラティア、カリュプソーなどが知られる。
"彼らが山野の精霊であるに対し、地上の多数の河川には、オーケアノスとテーテュースの息子である河川の精霊あるいは神がいた(『イーリアス』21 章。『神統記』)。彼らは普通「河神(river-gods)」と呼ばれるので、精霊よりは格が高いと言える。3000人いるとされるオーケアニデスの兄弟に当たる。河神に対する崇拝もあり、彼らのための儀礼と社殿などもあった。スカマンドロス河神とアケローオス河神がよく知られる[61]。"始原の神や、または神やその子孫のなかには、異形の姿を持ち、オリュンポスの神々や人間に畏怖を与えたため、「怪物」と形容される存在がある。例えばゴルゴーン三姉妹などは、海の神ポントスの子孫で、本来神であるが、その姿の異様さから怪物として受け取られている。ゴルゴーン三姉妹はポルキュスとケートーの娘で、末娘のメドゥーサを除くと不死であったが、頭部の髪が蛇であった。姉妹の三柱のグライアイは生まれながらに老婆の姿であったが不死であった。ハルピュイアイはタウマースの娘たちで、女の頭部に鳥の体を持っていた。ガイア(大地)が原初に生んだ息子や娘のなかには異形の者たちが混じっていた。キュクロープス(一眼巨人)や、ヘカトンケイル(百腕巨人)がいる。またガイアは独力で、様々な「怪物」の父とされる、天を摩する巨大なテューポーンを生み出した。
スカンディナヴィア人達は、この世に九つの世界があると信じていた。こうした世界は世界樹ユグドラシルにより繋がれており、アースガルズがその最上に位置する。その最下層に位置するニヴルヘイムで根を齧るのは、獰猛な蛇(または竜)のニーズヘッグである。アースガルズにはヘイムダルによって守られている魔法の虹の橋、ビフレストがかかっている。このヘイムダルとは、何千マイルも離れた場所が見え、その音を聞くことが可能な、寝ずの番をする神である。北欧神話の宇宙観は、強い二元的要素を含んでいる。例えば昼と夜は、昼の神ダグとその馬スキンファクシ、夜の神ノートとその馬フリームファクシが神話学上、相応するものである。このほか、太陽の女神ソールを追う狼スコルと、月の神マーニを追う狼のハティが挙げられ、世界の起源となるニヴルヘイムとムスペルヘイムがすべてにおいて相反している点も関連している。これらは、世界創造の対立における深い形而上学的信仰を反映したものであったのかもしれない。