参考文献と参考文献

プゥイール(Pwyll)、ウェールズ南西にある、ダベッドの君主でウェールズの英雄とも言える存在。知恵という意味の名を持つ。アンヌン(地下にある妖精の国)の王であるアラウンを助けてアラウンの宿敵ハフガンを討つ。後にリーアノンと出会い結婚する。彼女との間にプリュデリという子供がいる。リーアノン(リヒアンノン、フリアンノン、Rhiannon)、月と馬の女神で偉大なる女王という意味の名を持つ。金髪で美しい女性、忠実な白い雌馬に乗り死者の魂を地球から死後の世界へと導く。プゥイールの妻となり彼が死ぬまで幸せに暮らす。その後マナウィダンと結婚する。"マナウィダン(Manawydan)海神フリール(Llyr)の息子。マナナーン・マクリール(Manannan mac Lir)とも呼ばれる魔術師。"

人間の起源について古代ギリシア人は、神々が存在した往古より人間の祖先は存在していたとする考えを持っていたことが知られる。これはヘーシオドスの『仕事と日々』にもそのような表現が存在する。他方、『仕事と日々』は構成的には雑多な詩作品を蒐集したという趣があり、『神統記』や『女傑伝』が備えている整然とした、伝承の整理付けはなく、しかし、当時の庶民(とりわけ農民)の抱いていた世界観や人間観が印象的な喩え話のなかで語られている。古代よりギリシア人は「人は土より生まれた」との考えを持っていた。超越的な神が人間の族を創造したのではなく、自然発生的に人間は往古より大地に生きていたとの考えがあった。しかしこの事実は、人間が生まれにおいて神々に劣るという意味ではなく、オリュンポスの神々も、それ以前の支配者であったティーターンも、元々はすべて「大地(ガイア)の子」である。人間はガイアを母とする、神々の兄弟でもあるのである。異なるところは、神々は不死にして人間に比べ卓越した力を持つ。神々は貴族であり、人間は庶民だと言える[63]。しかしヘーシオドスは、土より生まれた人という素朴な信念とは異なる、人間と神々のあいだの関係とそれぞれの分(モイラ)の物語を語る。太古にあって人間は未開で無知で、飢えに苦しみ、寒さに悩まされていた。プロメーテウスが人間の状態を改善するために、ゼウスが与えるのを禁じた火を人間に教えた。また、この神は、ゼウスや神々に犠牲を捧げるとき、何を神々に献げるかをゼウスみずからに選択させ、その巧妙な偽装でゼウスを欺した[64]。

これについて既に気づいている神々は、来たる日に向けて戦死者の魂エインヘリャルを集めるが、巨人族側に負け、神々と世界は破滅する。このように悲観的な中でも2つの希望があった。ラグナロクでは神々や世界の他に巨人族もまたすべて滅びるが、廃墟からより良き新しい世界が出現するのである。オーディンはフェンリルに飲み込まれ、トールはヨルムンガンドを打ち倒すがその毒のために斃れることになる。最後に死ぬのはロキで、ヘイムダルと相討ちになり、スルトによって炎が放たれ、「九つの世界」は海中へと沈む。このように神々はラグナロクで敗北し、殺されてしまうが、ラグナロク後の新世界ではバルドルのように蘇る者もいる。この神話文学には霊的な創造物達もさることながら、英雄や王たちの伝説にも関連している。物語に登場する氏族や王国を設立した人物たちは、実際に起こったある特定の出来事や国の起源などの例証として、非常に重要であるという。この英雄を扱った文学は他のヨーロッパ文学に見られる、叙事詩と同様の機能を果たし、民族の固有性とも密接に関連していたのではないかと考えられている。伝説上の人物はおそらく実在したモデルがあったとされ、スカンディナヴィアの学者達は何代にも渡って、サガにおける神話的人物から実際の歴史を抽出しようと試みているのである。ウェーランド・スミス(鍛冶師のヴィーラント)とヴォルンドル、シグルズルとジークフリート、そしておそらくはベオウルフとボズヴァル・ビャルキなど、時折ゲルマンのどの世界で叙事詩が残存していたかにより、英雄も様々な表現形式で新たに脚色される。他にも、著名な英雄にはハグバルズル、スタルカズル、ラグナル・ロズブローク(粗毛ズボンのラグナル)、シグルズル金環王、イーヴァル広範王(イーヴァル・ヴィーズファズミ)、ハラルドル戦舌王(ハーラル・ヒルデタンド)などがいる。戦士に選ばれた女性、盾持つ処女も著名である。女性の役割はヒロインとして、そして英雄の旅に支障をきたすものとして表現されている。

ある日3人の神々は歩いていると、2つの木の幹を見つけ、木を人間の形へ変形させた。オーディンはこれらに生命を、ヴィリは精神を、そしてヴェーは視覚と聞く能力・話す能力を与えた。神々はこれらをアスクとエムブラと名づけ、彼らのために地上の中心に王国を創り、そこを囲むユミルのまつ毛で造られた巨大な塀で、巨人を神々の住む場所から遠ざけた。巫女はユグドラシルや3柱のノルン(運命の女神[3])の説明に進む。巫女はその後アース神族とヴァン神族の戦争と、オーディンの息子でロキ以外の万人に愛されたというバルドルの殺害[4]について特徴を述べる。この後、巫女は未来への言及に注意を向ける。古き北欧における未来の展望は、冷たく荒涼としたものであった。同じく北欧神話においても、世界の終末像は不毛かつ悲観的である。それは、北欧の神々がユグドラシルの他の枝に住む者に打ち負かされる可能性があるということだけでなく、実際には彼らは敗北する運命にあり、このことを知りながら常に生きていたという点にも表れている。

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